多目的構造物の設置・構想編の続きです。
春に思い付いてからお盆まで、測量や設計、部材の注文などの準備を進めました。
そしていよいよ材料も届き、施工に入っていきます。
主要材料がそろい材料を切断していきます
大部分はジョイフルAKで買って配達してもらいました。
一番上の折板だけはジョイフルAKで取り扱いがなかったので、近傍の屋根屋さんにお願いして取り寄せてもらいました。
長さ6m、重量60kgの鋼材もあります。私の力では少しだけ持ち上げるのがやっとです。
柱部分には本当はもうワンランク厚い鋼材を使いたかったのですが、取り回しが困難になるのでt=1.6mm妥協です。
では、いよいよ部材の切断準備に取りかかります。
切断角度が何種類かあるので、予めコンパネに書き出しておきます。
このコンパネは物置部分の床材に使う材料です。
安物ですが高速切断機も購入しました。
パソコンの中だけの世界でmm単位で設計はしましたが、いざ部材を切断するとなると、寸法が間違ってないか、本当に不安になって何度も確認します。
間違った場所を切断してしまったらシャレになりませんので(笑)。
CADでは寸法を間違えても、マウスでちょっこっとやれば直せますが、現実の世界ではそうはいきません。
現実の世界でもちゃんと組み上がるのか、本当に不安になりました。
何度もパソコンで寸法を確認します。
そして、自分を信じて、どんどん材料を切断して作業を進めていきます。
柱の土に埋める部分には予めさび止めを塗装しておきます。
柱を立て込む穴を掘り沈下防止の杭を打ちます
舗装を切断する箇所に印を付けて、ダイヤモンドカッターをグラインダーに取り付けて舗装を切断します。
柱を立て込む穴を掘ります。柱は土中に1m埋め込む予定です。
この辺りは地表から3mほどは泥炭層であり、その下のやや固い粘土層が支持層となっています。
家も3mの支持杭を33本打っており、その上に基礎を乗せています。
なので、家はほとんど沈下しませんが、泥炭部分の圧密が進行し、地盤は少しずつ沈下を続けます。
この構造物が泥炭と一緒に沈下しては困るので、1mの穴を掘ってさらにそこから2mの支持杭(といっても荷重は知れているので単管で代用)を打つことにしました。
泥炭は柔らかいとは言っても、単管を打ち込むのは結構大変で、いろいろと試行しました。
荷締めベルトを使って、推定200kg以上の静的荷重ををかけてもビクともしません。
さらに、たたいて衝撃加重も加えますが、中途半端なたたき方ではなかなか入ってくれません。
結局、ひたすら全力でコンクリートブロックでたたき込んで、やっとで目的の深さまで到達しました。
人力って知れてるなと痛感しました(笑)。
荷重のかかりそうな南側の柱2本に単管を各3本、その他の柱に単管を各2本、支持杭代わりに打ち込みました。特に計算に基づいているわけではありませんが…(汗)。
杭代わりの単管には、柱の端材を半割に切ったものをかぶせて、力が均等に伝わるようにしてみました。
柱の足にも同じような加工をして、多少ずれても杭代わりの単管にうまく乗るようにしています。
柱を立てて埋戻します
柱に予め取り付ける部品を付けて、立て込んで固定、埋め戻していきます。
泥炭層部分の埋戻しには、購入切込砂利にセメントを混ぜて、CSG(Cemented Sand and Gravel)で埋戻すこととしました。
柱は計4本です。
初めてのことなので、試行錯誤もしながら結構時間がかかりました。
ほんのちょっと傾いたため、横から引っ張って梁を入れているところです。
もちろん車をバックさせて引いているわけでなく、重りとして使っています(笑)。
ここまでで、予定どおり4本の柱を立てることができました。
しかし、既に着工してから1か月以上かかっています。先を急がなければなりません。冬になってしまいます。
玄関前の空間に横梁の端部を固定するため、こんな物を玄関前に取り付けました。
壁の裏側からも補強しています。
この部分は今後外壁塗装もできなくなるので、水が入らないようにコーキングしておきました。
こんなふうに、玄関前の空間に横梁の端部を固定できました。
2004年秋は雨続きでしたが、もたもたしていると冬が近づいてくるので、玄関ポーチの中でもできることをがんばりました。
素人仕事なのできれいにはできていませんが、溶接の強度は実用上問題ないと思われます。
部材の切断は設計どおりにやったはずですが、溶接の歪みで押したり、引いたりしないと部材が入りません。
もう少し子供達が大きくなったらセーリングカヌーを買いたいと思い、あとで物置部分の床を一部撤去して、屋根裏にカヌーを吊り下げられるように、物置の床はばらせるようにしました。
土地が狭いのでものを保管するのが大変です。
鉄どうしが直接接する箇所は、きしみ防止のために、不要なまな板を切ってプラスチックの板を挟んでみました。
だんだんと形が見えてきました。
溶接歪みの矯正をしながらどんどん組み上げていきます。
屋根の折板取り付け用のタイトフレームという部材です。
これも溶接の熱で反るので、太い部材に固定して作業しますが、効果無しです。
タイトフレームは結構な数があったので、型紙を作って位置決めを簡単にし、作業のスピードアップを図ります。
片面だけに部材を溶接すると、熱でこんなに反ります。
屋根を載せる斜の梁です。
こんな感じで家の壁に取り付けました。
冬が近づいてくるので、暗くなるまでがんばることもしばしばです。
何としても冬までにはある程度仕上げたい一心でした。
ちょうど工事中の秋、記録的な強風の風台風が北海道を縦断し、大きな被害が発生、民家の屋根のトタンがまるでゴミ屑のように空高く飛んでくのを目の当たりにして、少し補強を決定、当初予定に無かった筋交いを追加しました。
補強の筋交い取り付けの様子です。
壁との接合部です。
おぉーー、CADでしか見たことがなかった形が、現実の空間でもだんだんと見えてきました。
だいたい設計図どおりに進めることができています。
車を入れた状態で、左右上下のクリアランスも大丈夫なようです。
ここまでで、主要な骨組みができあがりました。
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2004年秋~多目的構造物の設置・施工編(2/3)の続きです。
基本的な骨組みは出来上がったので、続いて外側の部材を取り付けていきます。
続いて屋根を載せる準備を進めていきます。
タイトフレームを付けた屋根下地材を取り付け、屋根の取り付け準備が整いました。
屋根を載せる準備もできてきました。
屋根の折板に穴をあけて、タイトフレームに取り付け、専用のねじで止めました。
だんだんと雪が積もるようになってきました。いよいよ本格的な冬がやってきました。
追い込み時期です。急がなくてはなりません。物置部分の壁も順次取り付けていきます。
物置の側壁は取り付け完了です。物置部分までは、何とか出来ました。
屋根裏の物置部分です。いい収納スペースが確保できました。これも大きな目的の一つです。
次は雪よけの側壁を取り付けていきます。
こんな風に雪よけの壁なので取外し可能な構造としました。夏場は取り外して開放的な空間にできます。
クリスマスが来てしまいました。どんどん作業を進めていきます。
北西角の支柱の足も取外し可能としています。
お正月が迫ってきました。雪の降り方もどんどん勢いを増しています。
家の後ろへも抜けられるように、開閉可能な扉を取り付けました。
開けた状態です。
開けたまま扉を固定する金具も付けました。
ヒンジの部分です。
扉を閉めて固定する部分です。背面側に雪が積もって押されても耐えられるように、3点で外壁に留める構造としました。
とりあえず暫定完成です!
明日は仕事も御用納めとなりました。ここまで来れば、いつ大雪が降っても大丈夫です。
2004年度の冬はまずまずの大雪でしたが、期待したとおりの効果が得られて満足です。
西側の雪除けの壁が素晴らしい機能を発揮しています。車の出し入れや除雪がかなり楽になりました。
冬は雪との戦いそのものです。
春になったので雪よけの側壁を取り外し、家の屋根と同色のペンキを塗って、若干ですが見栄えも向上しました。
物置へあがる階段も作りました。
早くも夏が過ぎ、また冬が来るので、早めに側壁取り付けて準備万端です。
いつ来ても大丈夫です。
今年の冬も威力を発揮してくれることでしょう。
もういつ降っても大丈夫です。
2005年度も結構な大雪になりました。
それでも、これがなかったときよりは、本当に冬が楽になりました。
見た目は少々カッコ悪いですが、雪よけの効果と物置スペースが実現し、家族にも喜ばれております。
翌年2006年度は記録的な小雪でした。毎年このくらいなら非常にありがたいのですが…。
かかった費用は、材料の他、溶接機など新たに購入した工具を合計して、だいたい23万円でした。
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