少々カッコ悪いですが、実用性重視でこんなものを造りました。
当時、自宅の西側には約80坪の空き地があり、冬場に雪捨て場には困らないのは良かったのですが、近所の人たちがみんなで雪を積み上げていくと、かなり巨大な雪山になっていました。
冬場の季節風はだいたい西側から吹くことが多く、日本海からの湿った空気がもたらす吹雪ともなると、雪山の風下側、すなわち私の自宅が大変な吹きだまりに埋もれることが多かったのです。
土地が狭いから空間活用を考えてみる
そこで、この合成写真のようなカーポートもどきを設置して、冬には西側に雪よけの側壁を取り付け、屋根裏にはカヌーを吊り下げ、屋根裏の残りのスペースには床を張って収納スペースとするようなものがあったらいいなと考え始めました。
カーポート、玄関フード、艇庫、物置、雪よけを兼ねた多目的構造物です。
日照が遮られないか確認
しかし、その構造物を設置することによって、1階南側の居間の窓への、貴重な冬場の日照が遮られないか気になったので、簡易的に計算してみました。
この画像は、居間の窓の低め中央の位置から見たスケッチで、黄色の着色が新たな構造物により日射が遮られる部分となります。
これによると、年間のうち3~4月の夕方に陽が当たらなくなるものの、最も貴重な1~2月の日照には影響が無いことがわかりました。
さて、家を建てる際に、市販のカーポートサイズを確認して、それを置けるぐらいのスペースは確保しましたが、ここで検討した構造物を独立で置くほどのスペースはありません。
そもそも土地43坪の庭無し一戸建てです。
スペースの関係上、どうしても家と接合させた構造としなければ、どうやら設置は無理そうです。
しかも、このような構造物は市販されておらず、大工さんに特注で頼むか、自作しか選択肢がありません。
しかし、外注すると結構な額になりそうです。自作の道を模索することとしました。
鋼材で造ることに決定
いろいろと調べながら、主たる材料を木材か鋼材かで比較の結果、強度の割に重量が軽く、また値段も安い鋼材でいくことにしました。
(注:現在はどちらが有利かわかりません。その後、北京オリンピック前後で鋼材の価格は当時の3倍以上になり、現在は落ち着きましたがそれでも当時の2倍はしています。同時に木材の価格も少しは上がったと思われます。)
半3次元で設計
お盆までの空き時間で、慣れないCADで半3次元で設計をしてみました。
機能を満足するだけのシンプル設計を目指しましたが、結構な部材数となりました。
部材をエクセルにリストして、最大6mの鋼材からどう切り出せば端材が最小になるかもじっくり検討しました。
夏場は側壁を外して、風通しの良い開放的な空間にしたかったので、強度上はブレースを付けたかったのですが、夏場は邪魔になるので断念です。
また、最初は部材の接合をボルト・ナットでやろうと思っていましたが、こちらも結構な数になることが判明し…、費用や手間を考慮して、分解する必要のない箇所は溶接で造ってしまうこととしました。
一応、想定する荷重と必要な強度の計算を行っています。
雪荷重(300kg/㎡)も含めて設計をしたので、夏場であれば多少の地震でも壊れることはないはずです。
ただ、冬場で雪が満載の状態で地震が起これば、壊れるかも知れません。
そこは、西側が空き地なので、雪が落ちるような屋根勾配とすることとしました。
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