2021年4月~イグニションコイル不調

車メンテ

後でわかったことですが、買ったときから不調だったイグニションコイルです。
これまで3度の不調が起こったので時系列にまとめておきます。
車は 2010年 BMW X1 xDrive25i ABA-VL25 E84 です。
一連の不具合で計3本のコイルに異常が発生したことになります。

不調①

2019年9月、中古車を9年落ちで買いました。
受け渡しの当日からアクセルを踏み込むとガクガクするときがありましたが、必ず症状が出るパターンというのが定まらず、速度やアクセルを踏み込む度合でガクガクの強さやタイミングがバラバラでした。
しかも、踏み込んで、ちょうどシフトダウンするタイミング前後と重なることが多かったため、ミッションの不具合か、その制御プログラムが悪いのだと思ってました。

購入した中古店に持ち込んでも「AT学習機能」が新しいオーナーに合っていないかも知れないので、学習をリセットして踏み込む走り方で学習し直したなどと言ってましたので。
いろいろやってくれたようですが結果はイマイチ。

自分でも何度か学習リセットしてみましたが、ほとんど改善されないまま1年半ほど経過。
と言っても、走れないわけでもなく、マイルドに加速する分には症状が出にくく、ちょっと踏むと時折ガクガクしてもたつきが出ていた程度でした。
高速道ではかなり乱暴に踏んでも症状が出ず、低回転からの加速時に出る症状。
エンジン警告灯が点くこともなく、コイルの不良だとは全く思い及ばずでした。

不調②

2021年4月1日(木)、転勤の異動先に車で向かう途中、突然オレンジ色のエンジン警告灯が点灯。
高速道路から枝分かれした、制限速度70kmの自動車専用道路無料区間をほぼ一定速度で走行中です。

んんっ!何だ!っと思ったら少し経つと一旦消えたので、何?エイプリールフールのドッキリ?にしては随分凝ってる仕掛けだなと。
と思ったら間もなくして再点灯。しかし特に何の異変も感じず。
ただ、ゆっくりアクセルを踏んでみると妙な振動が発生。
はぁ~~、マジですか…。よりにもよって今日ですかぁ。
目的地まで4時間以上の道のりのうち、まだ半分にも達してません。
いろいろ試しても症状は変わらず、アクセルを踏み気味にすると、ノッキングのような振動でガクガク、あまり踏まずに一定速度だと比較的安定。
これは点火系だな。ブレーキの効きやステアリングなどは異常無し。

オーバーヒート気味で異常燃焼か?、ジェネレーター死んでバッテリーだけの電力でプラグにうまく火が飛ばないのか?、そもそもプラグとか点火コイルの不具合なのか?、いずれにしてもこのまま走り続けるのは不安なので一旦専用道路から降ります。
インター降りて駐車スペースに停まってみると、アイドリングも著しく不安定ですが、ガクガクブルブルしながらもエンジンは何とか止まらず回ってます。
ファンベルトも特に緩んでおらず、ジェネレーターもウオーターポンプも回ってはいます。
そもそも、発電量低下、電圧低下、水温異常なら別の警告も出るはず。
メーターパネル内の距離計のリセットボタンを何回も押して、秘密のコマンドで水温を表示させますが、100℃弱、思ったより高いですがオーバーヒートまではしてない様子。
BMWは高速走行では水温を上げてオイルの粘度を低下させ、燃費を下げるようなプログラムだと何かの記事で見た気がします。
プラグは10万km対応のプラチナプラグが付いてるはず。これまで9万km走れたプラグが10万km手前で急に死ぬことも考えにくいかと。

しかしこれは困った。まだ目的地まで150km以上あります。
とりあえず道中のディーラーを探してみますが、目前の留萌市には無く、目的地周辺にも無く、最寄りでは旭川市ですが、ちょっと方向が違います。
ネットでググりますが、BMWのテスターを持ってそうな修理工場も見当たりません。
ん~困った。転勤先には今日行くと言ってあるし、今日行かないといろいろな人に迷惑をかけてしまいます。
走れなくなったなら潔く自動車保険のレッカーでも呼びますが、そうではなく何とか走れる。
スピードが乗って一定回転、一定速度を保てば、まあ普通に近くは走れる。
もう少し頑張ってみよう。

エンジンの回転を下げたり、加速しようとするとノッキングするので、信号を見ながらできるだけ速度を下げないように頑張ってみます。
とっ、いいものを発見!、マニュアルモードです!
おぉ~、かなり快適に走れます。エンジンへの負担も激減かと。
信号に引っかかると、ヴ~と声が出てしまいますが、何とか目的地に到着。
しかし、この地では車無しでの生活はとても厳しいです。

ネットで症状をググるとやはりコイルが怪しいです。
そして、コイルに負担がかかる原因の一つにプラグの劣化も関係するとのこと。
確かに走行約9万kmに達し、製造時から一度もプラグを交換していなければ、そろそろ交換時期です。
コイルが1本ダメになったとすると、残り5本も近いうちにダメになる可能性が高いだろうし、プラグも交換時期が近づいているので、この機会に全て6セット交換すべきでしょう。
プラグもコイルも通販で入手できそうですが、1週間程度要します。
しかも、単身先では工具も車載分しかなく、少なくともプラグは抜けそうもなく、やはり一度は自宅に帰るしかありません。

早々に何とかしたいところでしたが、札幌のディーラー及び正規代理店の3店ともにしばらく予約でいっぱいで対応できないとのこと。
まあ、その店で中古車を買ったわけでないので冷たい対応もわかりますが。
ちなみになぜなのか聞いてみると、何と!タイヤ交換の予約で!、全くお金持ちの皆さん達はディーラーでタイヤ交換すんですか、自分でやんないんですか、近所のガソリンスタンドではダメなんですか、とブツブツ言いながらネットのヒットを当たってみると、新川のセイロモータースさんがご対応いただけるとのこと。
症状を伝えるとやはりコイルが怪しいとのことですが、部品取り寄せはやはり7~10日かかるのですぐには難しいが、手持ちの中古部品で適合品があれば一時しのぎに交換できるとのこと。
自宅からは少々遠いですが、ここは贅沢言えません。中古部品で少しの間でもまともに走れるだけで御の字です。4月3日(土)朝一に予約を入れていただきました。

4月2日(金)夕方に札幌へ向かいます。
途中留萌から自動車専用道路無料区間を経由し道央道に乗ります。
一般道で長時間マニュアルモードで走るのはしんどいですが、信号のない道路なら楽です。
翌日の新川まで入れると、1気筒死んだまま450kmほどマニュアルモードで走ったことになります(疲)。

この一連の症状で、思いついたことがありました。
買ったときからの上記「不調①」も、エンジン警告灯は点いていないが、もしかするとコイル不良で失火してたんじゃないなと。

さて、3日(土)セイロモータースに持ち込み診てもらうとやはり原因はコイル。
1番シリンダーに失火の履歴があり、1番のコイルを2番に付けたら2番が失火するとのことで問題コイルは特定。
ストック品の中古コイルを付けていただき、とりあえず普通に走れるようになりました。
大感謝です!
ただ、ちょっとだけ期待した上記「不調①」は変わらず。
やはり原因はミッションなのか、それとも、もしかして別のシリンダーのコイルなのか…。
とりあえず、通販でプラグとコイルを6セット手配し、翌週末に交換することにします。

コイルは1番シリンダーの不調になったコイルに書いてあった数字「0 221 504 470」をもとに6本送料込みで24,000円。

プラグは純正品「NGK LZFR6AP11GS」を6本送料込みで8,970円でそれぞれ注文しました。

なお、このとき同時にトルクレンチも購入しました。
どちらかと言うと、スパークプラグよりもドレンプラグのために欲しいなと思っていたものです。
この車のオイルパンはアルミ製で、ネジ山が弱いので締めすぎは厳禁。しかもスパークプラグと違い、ドレンプラグはネジ長が短く、ねじ切ってしまうのは簡単です。
実際にも締めてみると、これまでの鉄製の感覚と違いちょっと力を入れるとグイグイ入っていくし、ユルユルだと何となく不安だし、トルクレンチが欲しいなと思ってたところでした。

送料込み5,735円でしたが今回のプラグ交換のタイミングで購入を決意。
この車はスパークプラグもドレンプラグも締め付けトルクは25~30Nなので、今回購入のレンチは10-60Nmを選択。調整範囲の端っこの方で締めるのは気持ちよくないので。

これが大当たりで、プラグは16mm角、プラグの穴の太さには余裕がなく薄肉のソケットが必要、またプラグまでの距離が相当長く奥まっておりエクステンションが必須で、かつ奥の方の5~6番シリンダー辺りは他のパーツが干渉し工具を真っすぐに差し込めない位置関係にあるのでユニバーサルジョイントも必要でした。

プラグのネジ長はかなり長く、オイルドレンと違いねじ切る恐れもないため、トルク管理的には約30cmのレンチの先端をだいたい10kgの力で押す感覚で十分と思ってましたが、今回購入のセットの付属品に助けられスムーズに作業できました。
手持ちの工具だけでは交換できなかったかも知れません。

注文した部品が届き、4月10日(土)全部交換します。
エンジンヘッドにアクセスするためにはBMW E84 エンジンヘッドへのアクセスにあるように、沢山の部品を外す必要があり簡単ではないです。

プラグはだいたい正常だと思われました。

ただ、5番シリンダーのプラグだけがネジ山に生焼けカーボンがびっちり着いていました。
これって、シリンダーからのガスが、ネジ山沿いに漏れていたのでは?
プラグのガスケットがうまくガスを止め切れてなかったのかな?
もしかして 「不調①」 と関係あるのかな?
外すときの締まり具合は特に緩くはありませんでしたが。
車両製造時のプラグと思われ、ガイシの文字が「NGK」でなく「BMW」です。

そして、全部交換の結果「不調①」もなくなりました!もう大喜びです!
ミッションではなくコイルが原因だったようです。
「不調①」の原因は2~6番シリンダーのどれかのコイルだったということになります。
ということは、コイルの劣化の症状は様々だということです。
これでエンジンは、も~~~快調そのものになりました。
シフトをDに入れっぱなしで走れるのがこんなに楽なことが嬉しかったり、ふけあがりも最高で、シフトダウン時のガクガクを恐れずにアクセルが踏めて、と言うかこれが正常だったんだと。

これでエンジンは絶好調になりました。
しかし、エンジンが好調になった分、別のところに負担が増えたのか、これまでになかった別の振動が出るようになりました。
この顛末は改めて別記事にまとめることにします。

不調③

そして、しばらく好調だったエンジンですが、6月21日(月)自宅から単身先に向かう途中またまたエンジン警告灯が点灯、また若干ガクガク、ん?コイルはこの前全部替えたはずなのに?
まだ自宅から1/4ぐらいの地点ですが、このまま向かう覚悟ですかさずマニュアルモードに入れ、2000rpm付近をキープして走ります。
ところが、1分ほどでエンジン警告灯が消灯、失火の症状も消え、シフトをドライブに入れても快調に走れます。
えっ、今の何?
不安を抱えたまま残り3/4程走り、その後は特に異常もなく単身先に到着。
ただ不安は残ります。

2週間後の帰り道、その不安は的中、スタートから調子が悪いと思ったら、途中調子が良くなったり、調子が悪い時にも前回のように2000rpm付近をキープしてもミスファイヤーが続いたりでどうにもなりません。
またまたマニュアルモードで低回転域を避けながら延々と札幌に向かいます。
自宅に帰れば前回新品のコイルにする前の6気筒分の中古コイルがあるので、元通り走れるようにはなります。
ただ、それでは新品のコイルに替えた意味もなく、またいつ切れるかわからない状態に戻すことになるうえ、上記「不調①」が再発することになります。

でも、やっぱり中古部品が手元にあるのが前回との違いで、ダメな部品をじっくりと特定することにしました。
できなければ全部もとに戻せばとりあえず走れるようにはなるし、何気筒かずつ交換していけばダメなコイルを特定できるはず。怪しいのは前回ダメになった1番シリンダーじゃないかと。

ググるとRheingoldというソフトで車のコンピューターのデータを引き出し、不具合が特定できるよう。
車との接続は、以前にコーディングで用意したDCANケーブルが使えるようなので、面倒でしたがPCにソフトをインストール、無事車から情報を読み出せました。

結果、今度は6番シリンダーがミスファイヤーしてると判明。
写真には「ブレーキ液レベルが低い」記録も写っていますが、これはエンジンをかけた状態でブレーキフルードタンクのキャップを開けてしまったのかも知れません。
このソフトは他の故障診断にも幅広く使えるので、今回導入して良かったです。

面倒ですがエンジンカバーを外して、ひとまず6番のコイルをもともと6番に付いていた中古コイルに戻します。
もうエンジンカバーの脱着だけで時間がかかります。

一応プラグも外してみましたが特に異常はなさそうです。少し濡れているように見えますが、これまでミスファイヤー状態だったのでこんなものでしょう。

結果、再び快調に走れるようになりました。
と言うことは上記「不調①」は2~5番のどれかということになります。

とは言え、こんなに短期間で新品のコイルがダメになるものなのか。残念ながら今回購入の店では保証はなく、交換を請求できません。
止む無く新品を購入しますが、予備含めて2本6,170円で追加購入しました。2本だと最安の店が変わり、今度は保証が付いています。
こんなに頻繁に切れるものなら、予備がないとやってられません。
なぜならコイル交換するまでに取り外さなくてはならない部品が BMW E84 エンジンヘッドへのアクセスにあるようにあまりに多く、一旦中古部品を取り付け、新品が届いてから再度付け直すのが非常に面倒だからです。

後日追加注文した部品が届き、6番を新品に交換、現時点で2カ月ほど経過しましたが今のところ快調です。
この一連のトラブルに懲りて、その後は中古のコイル全てと予備の新品コイルを車に積んだままにしています。
プラグは抜けませんが、コイルだけなら車載の工具だけで交換できます。
もうコイル不調で延々とマニュアルモードで走るのは懲り懲りなので。

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