数年前からですが、家の西側の基礎間際の土が、徐々にアリ地獄状に凹んできました。
それほど急激な進行でもなく、特に困るほどではなかったのでしばらく様子を見ていましたが、やはり土がどこかに流出していることは間違いないと思い、思い切って掘ってみることにしました。
掘ってみると原因がわかりました。
トイレの排水パイプが、エルボのところで破断しています。
このあたりの地盤は厚さ3mの泥炭層が分布しており、この家の布基礎の下には3mの杭を33本打ってあります。 泥炭層の下にある固めの粘土層が支持層となっています。
すなわち、家は杭を介して支持層に乗っているため沈下しませんが、配水管を含む周辺の地盤は、泥炭の圧密により徐々に沈下することとなります。
泥炭層の圧密沈下の他に、配管を埋設した際の土の締固め不足が沈下の原因になることも考えられます。
エルボが破断して開いた幅を見ると、目見当で3cm程度であり、すなわちこの程度が家を建ててから10年間ほどで沈下したこととなります。
また、配管が破断するまでの間は、破断した部分より下の幹管が上に引っ張られていたはずであり、実はエルボの破断幅よりも、実際に土が沈下した量の方が大きい可能性もあります。
幸いにも、土には汚水が染み込んでいる気配はなく、臭気もありません。土が管の中に落ちていく一方通行のみであったと考えられます。
土が濡れているように見えるのは、水をかけて管に付いた土を洗い流したためです。
対処方法をいろいろと検討した結果、取りあえず応急的にモルタルで囲むことにしました。
排水系統には特に内圧がかかっているわけでもないので、排水がスムーズに流れて、土を引きずり込まなければ良いだろうと考えました。
モルタルの必要量を減らすため、他の穴掘りで出てきたコンクリート殻を、モルタルと土との縁切りに使うこととしました。
モルタルを充填していきます。
そのままではモルタルが管の中に落ちていくので、ペットボトルを切り開いたものを当てています。
将来的にさらに沈下が進んだ場合でも、これがスライドすることで伸びに対応することを期待します。
モルタルの様子です。
穴掘りで出てきた土から、石をふるい分けて洗浄したものを加えて増量し、土の処分量とモルタルの使用量の両方を減らしています。
上の方はビニール袋で土と縁切をしておきました。
埋戻して取りあえず応急処置は完了としました。
5~6時間経過後、まだモルタルは完全には固まっていないはずですが、あまり家族を待たせることもできないので共用を開始し、うまく流れることを確認しました。
いつか準備を整えて、もっと沈下に耐えうる方法で修理したいと思います。
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